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東京地方裁判所 平成9年(刑わ)1882号 判決 1999年3月30日

主文

被告人Aを懲役三年二か月に、被告人Bを懲役二年にそれぞれ処する。

未決勾留日数中、被告人Aに対しては三〇〇日を、被告人Bに対しては一七〇日を、それぞれその刑に算入する。

理由

(犯罪事実)

第一  被告人Aは、Cと共謀の上、中古家庭電器製品等の売場として利用する目的で、東京都が所有する東京都葛飾区東金町五丁目<番地略>所在の土地の一部合計約110.75平方メートルの空地(以下「本件空地」という。)を侵奪することを企て、平成八年一二月中旬ころ、東京都に無断で本件土地中央東寄り部分に木造ビニールシート葺平屋建簡易建物(建築面積約三七平方メートル)を建築し、さらに引き続いて、そのころ、本件土地中央西寄り部分に右簡易建物の西端に接続して右同様の簡易建物(建築面積約27.3平方メートル)を増築して、本件土地を侵奪した。

第二  被告人両名は、共謀の上、自由民主党X会又は同会会員から金銭を喝取しようと企て、平成九年六月初めころから同月一三日ころまでの間、東京都(以下「東京都」の記載を省略する。)千代田区永田町一丁目<番地略>自由民主会館一階所在の自由民主党の外郭団体であるX会本部周辺路上において、放送宣伝車(以下「本件街宣車」という。)に設置した拡声器を使用して、「自民党X会なるものは、総会屋Dが所属していた団体で、詐欺、インチキ集団である。このような団体を擁護している自民党加藤幹事長及び橋本総理は、即刻辞任せよ。自民党X会は解散せよ。」などと放送した上、被告人両名が、同日ころ、同区紀尾井町<番地略>所在の赤坂プリンスホテル新館三階喫茶店内において、右放送の中止を求めるなどしたX会常任理事E(当時三九歳)に対し、「読売新聞社に対して街宣を掛けているとき、自民党X会常任理事の肩書を持つFが、Aに街宣を止めろと言って来て、街宣を止めれば、街宣車一台分の八〇〇万円か九〇〇万円を寄付する約束をしたのに反故にした。Fの所属する自民党X会に払ってもらう。X会が約束を果たさない限り街宣を続ける。」「Fは約束を守らない悪い奴だ。X会に責任を取ってもらう。」などと言って金銭の交付を要求し、さらに、主として被告人Aが、同月一六日ころから同月二一日ころまでの間、本件街宣車に設置した拡声器を使用して、X会本部周辺路上において、前同様の内容に加えて「G(X会会長Gのこと)は、会長を辞めろ。自民党X会を解散せよ。」などと放送し、板橋区仲宿<番地略>所在のG方周辺路上において、「自民党X会会長G、こんな悪い奴はいない。」などと放送した上、被告人Bが、同日ころ、江東区常盤二丁目<番地略>所在の居酒屋において、五〇〇万円の支払を条件に右放送の中止を求めてきたEに対し、「自民党X会のFは八九〇万円の街宣車を買ってやると言った。端数を負けて八〇〇万円出さないんなら、Aに死ぬまで街宣させる。」などと言って金銭の交付を要求し、もしこの要求に応じなければX会の名誉等にいかなる危害を加えるかも知れない気勢を示してEを畏怖させた。その結果、被告人Bが、同月二三日ころ、新宿区新宿五丁目<番地略>所在の喫茶店において、Eから現金五〇〇万円の交付を受け、さらにEに対し、「駄目だ。Aに八〇〇万円と言ってあるから八〇〇万円用意しろ。全部で八〇〇万円だ。ちゃんと用意しろよ。それで街宣を止めてやる。」などと言って三〇〇万円の交付を要求して前同様にEを畏怖させた。その結果、同月二五日ころ、港区六本木七丁目<番地略>所在のクラブにおいて、Eから現金三〇〇万円の交付を受けて、現金合計八〇〇万円を喝取した。

(証拠)<省略>

(事実認定の補足説明)

第一  犯罪事実第一(不動産侵奪罪)について

被告人Aの弁護人は、同被告人は、不動産侵奪行為に及んでおらず、その故意もないなどとして、無罪を主張する。

しかし、当裁判所は、被告人Aについて右事実を認定したので、関係証拠を総合して、必要な限度で補足して説明する。

一  不動産侵奪行為の存在について

1 同弁護人は、基礎工事をしておらず、柱も地中に埋まっていないことなどを理由に、本件簡易建物(以下特に断らない限り、本件簡易建物とは、増築分も含めた犯罪事実第一記載の簡易建物全体を示す。)は、容易に撤去し得るものであって、半永久的、かつ、強固な建物ではないから、本件簡易建物の建築によって、本件土地に対する東京都の占有が侵害されてはいないなどとして、被告人Aは不動産侵奪行為に出ていない旨主張する。

2  そこで検討すると、本件で不動産侵奪に該当する行為があったといえるのは、犯人が本件係争地上に本件簡易建物を建てることによって、所有者である東京都の占有を排除して右土地について事実上の支配を設定した(侵奪の範囲についても後に検討する。)といえる場合である。以下、本件の争点に即して説明する。

(一) 被告人Aらが本件簡易建物を建てた経緯

本件土地は、東京都が都立水元公園(以下単に「公園」という。)の予定地として民有地を買収した土地の一部であるが(<証拠略>)、公園の金網と区道に囲まれた三角地状で、面積約110.75平方メートルであり、有事の際の緊急用務等に(<証拠略>)、また、日常的には全体として区道の通行車両のすれ違い等の利用に供されていて(<証拠略>)、公園として直接利用されるには至っていなかった。

Cを頼って本件土地と道路向かいにある通称Cコーポに居住するようになった被告人Aは、Cと共に、本件土地上に中古家庭電器製品等の商品を置いてリサイクルショップを営み始め、風雨対策として商品の上からビニールシートをかけていたが、商品が傷むおそれがあったことから、しっかりした建物を造って風雨対策を充実させようと考え、本件簡易建物を建築した(<証拠略>)。

(二) 本件簡易建物の建築状況とその性状

被告人Aは、本件土地中央東寄り部分に簡易建物を建築したが、前記商品等を風雨から守るには十分でないとして、数日して(<証拠略>)、右建物の西端に接続する形で建物を増築して本件簡易建物を完成させた。

本件簡易建物の建設直後の形状を直接裏付ける証拠はないが、(<証拠略>)の検証がなされた平成九年八月一日ころは、①建物の隅や要所に一四本の角材(断面が縦横とも約一〇センチメートル)の柱が立てられ、その柱のほとんどを、本件土地上に土台として敷いた角材(断面は前同様)と、平板や三角型に切った木片を当てて釘打ちするなどして、土台として敷いた角材同士も平板を当てて釘打ちするなどしてそれぞれ固く接続させており(<証拠略>)、②尾根は、多数の角材(断面が縦横約三センチメートル×約四センチメートル)等を桁及び母屋(もや)とし、その上をビニールシートやベニヤ等で覆い、ビニールシートが風の影響を受けないようにその上に平板等を当てて母屋等に釘打ちするなどして補強し、雨水がビニールシートの上に溜まらない工夫もしており(<証拠略>)、③建物の周囲は、ビニールシート、戸板、カーペット及びアコーディオンカーテン等で覆って、要所に板を当てて釘打ちするなどして補強し(<証拠略>)、④公園の金網フェンスに隣接する建物部分を右フェンスに針金、電気コード等を用いて結び付けて固定しているほか、柱、桁等の建物の骨組みの接続部分も針金、電気コード等で結び付けて補強していた(<証拠略>)。

以上によれば、本件簡易建物は、本件土地のコンクリート部分や土部分に直接前記角材等を敷いて土台としていて、コンクリートによる基礎工事はなされておらず、壁や屋根にビニールシートといった木材に比べても耐久性に劣る材質の資材も使用されていて、いわゆる本格建築の建物でないとはいえ、屋根、柱、壁を備え、土台等の補強もされていたから、風雨に耐え得て容易に倒壊しない相当強固な性状であったと認められる。右性状に照らすと、建築後の補修等が仮にあっても前記形状の本質的部分を変更するものではなかったと推認されるから、本件当時も、基本的には右形状であったと認められ(<証拠略>)、このことは、被告人Aも積極的には争ってはいない。確かに、ビニールシートは破損することもあり得るが、被告人Aは本件簡易建物の直近に居住して同建物を日常的に使用しており、速やかに破損個所を補修することも容易であって、そのことは建築時から予定されていたといえるから、本件簡易建物にビニールシートが使用されていることで、同建物の性状に関する前記判断が影響されることはないといえる。

そして、本件簡易建物が相当強固な性状であったことは、これに沿うHの公判供述(<証拠略>)があるほか、被告人Aは、本件簡易建物を建築する前に、本件土地上にパイプを用いて建物を建築したものの、風で倒壊したことがあったと言うから(<証拠略>)、本件簡易建物の建築に当たっては、その経験を踏まえて、相当強固な建物を欲していたと窺われるのであって、本件簡易建物は、そのような被告人AがCら数名の協力も得て数日かけて建築したものであり、平成八年一二月中旬に建築されてから平成九年九月一一日に解体されるまでの約九か月間、風雨の強い台風に二度見舞われる(<証拠略>)などしても倒壊することなく現存していたこと、解体も、解体業者が、六名の人員で、大き目のハンマー、バール等の道具を用いても、一時間余りを要していて、素人であれば丸一日かかるほど困難な作業であったのであって、費用も約二六万三〇〇〇円を要したこと(<証拠略>)からも裏付けられている。

また、被告人Aらが、本件簡易建物に電気を引き、テレビアンテナも接続させていたこと(<証拠略>)は、本件簡易建物が容易には倒壊しないことを前提にした措置であったと窺われる。

したがって、被告人Aの弁護人主張の諸点を考慮しても、本件簡易建物は、不動産侵奪罪にいう「侵奪」の手段足り得る性状を備えていると認められる。

(三) 被告人Aらは、東京都から本件簡易建物を建てる許可を得ていないこと

被告人Aは本件土地が都有地であることを知っており、同被告人やCが、事前に、東京都から右許可を得ていないことは、本件証拠上明らかである。

もっとも、被告人Aは、本件土地と公園との間にあるフェンスの公園側に、風よけの板を立て掛けたことについて、平成八年一一月二五日ころ、公園の管理事務所員Hから注意を受けただけで、それ以前から継続して本件土地上に中古家庭電器製品等を置いていることについては注意を受けておらず、逆にHから、右フェンスを越えなければ本件土地を使用してもよいと言われたことなどから、本件土地の利用を事実上許可されていると考えて、本件簡易建物を建築したなどと弁解する(<証拠略>)。

しかし、被告人Aらが本件土地を使用し始めるに当たって東京都から予め許可を得ていなかったことは前記のとおり明らかであって、Hの当時の前記地位等からしても本件土地の占有・使用を許可する権限を有しないことも明らかであり(<証拠略>)、被告人Aが本件土地の使用を事実上許可されたと認識していたとは認められない(同被告人も捜査段階ではそのことを認めている。)。また、Hが、被告人Aが本件土地上に中古家庭電器製品等を置いていることについて強く注意を与えていなかった(<証拠略>)のは、右翼関係者の被告人Aを恐れてのことであり(<証拠略>)、被告人Aもそのことを十分認識できた(<証拠略>)ばかりか、被告人Aは、本件簡易建物建築中に、その中止を求めたHに対し、「仮の柱だ。」などと基礎工事もなく直ちに撤去可能との説明をするなど、本件土地の使用を事実上許可されていないとの認識と矛盾しない言動をしていること(<証拠略>)や、被告人Aに対し本件簡易建物の撤去を求めたなどとのHの公判供述及び右供述を裏付ける管理日誌の内容(<証拠略>)に照らすと、被告人Aの前記弁解は信用できない。

したがって、被告人Aらの本件簡易建物の建築を適法視する余地は全くない。

(四) 小括

本件簡易建物建築前の本件土地の利用状況、同建物が建てられた前記経緯に照らすと、同建物の建築以前は、被告人Aらが本件土地上に中古家庭電器製品等の商品を置くなどしてリサイクルショップを営んでいたに過ぎず、商品等を撤去すれば原状回復が容易であったとみられるから、本件土地に対する東京都の直接占有は失われていなかったと認められる。しかし、本件簡易建物の前記性状に照らすと、同建物の建築によって、東京都が本件土地を本来の目的に沿った形で利用するためには、解件工事を必要とするなど多大な困難を伴う状態に質的に変化したといえるから、被告人Aらは本件簡易建物を建築することによって、本件土地に対する東京都の占有を侵害したと認められる。

したがって、被告人Aらの犯罪事実第一に記載した行為は、不動産侵奪罪に該当する行為であるといえる。

なお、本件土地の占有を奪った被告人Aらの行為は、それだけで東京都に損害を与えているということができるが、被告人Aの弁護人は、東京都に具体的な損害を生じさせていないと主張するので、付言する。本件簡易建物の解体には、前記のような手間、費用を要するばかりか、同弁護人が主張するように本件土地に隣接する区道の車両の交通量が少なかったとしても、本件簡易建物の建築によって、それまでの前記のような本件土地の利用ができなくなっていたのであり(<証拠略>)、また、本件簡易建物が公園に隣接していたことから、付近住民より苦情が寄せられる(<証拠略>)など、公園の美観上の問題も生じさせていたのである。

したがって、東京都に具体的損害が生じていたと認められるのであって、少なくとも、損害の点から被告人Aらの行為の「不動産侵奪」該当性が否定されるものでないことは明白である。

(五) 侵奪の範囲

被告人Aの弁護人は、仮定的主張として、侵奪の範囲は本件簡易建物の敷地部分に限られる旨主張する。

しかし、建物を建築する方法で土地を侵奪する場合は、当該建物の敷地部分だけでなく、右建物の用に通常供されると認められる土地部分も、特段の事情がない限り、侵奪の範囲に含まれるものと認められるのであって、このこと自体は同弁護人も承認していると解され、また、本件訴因や犯罪事実の記載もそのことを当然の前提としているところ、本件土地約110.75平方メートルの内、本件簡易建物の敷地面積は約64.3平方メートルとその約五八パーセントを占めている上、本件簡易建物は、一体として利用されていた三角形状の本件土地の中心部分に建築されていて(<証拠略>)、その周囲も本件簡易建物の用に供されていて、しかも、本件土地の残余部分の有効利用を妨げていることからすれば、被告人Aらは、本件土地全体を侵奪しているというべきである。

二  被告人Aの故意等

被告人Aの弁護人は、同被告人には本件の故意がない旨主張する。

しかし、同被告人も、東京都から正式な許可を得ずに本件簡易建物を建築して本件土地を占有していることを認識していることは認めているのであって(<証拠略>)、これまで述べたところも併せ考慮すれば、同被告人に本件の故意があったことを優に認めることができる。

また、同弁護人は、一時使用の意図で撤去容易な本件簡易建物を建築した被告人Aには不法領得の意思がない旨主張するが、同建物の性状は既に述べたとおりであって、右主張はその前提を欠いている上、被告人Aは、自ら進んで本件土地を明け渡す意思を有しておらず、明渡しを条件に、東京都側に代替地あるいは立退料等の提供を求める考えもあった(<証拠略>)と認められるから、本件土地の占有の取得が一時使用のためということはできず、不法領得の意思を有していたことは明らかであって、同弁護人の主張は失当である。

被告人AとCとの関係、本件簡易建物の建築状況、本件土地の利用状況等に照らすと、右両名間の本件共謀も優に認めることができる。

三  以上によれば、被告人Aが、Cと共謀して、犯罪事実第一を犯したことが認められる。公園の予定地内で農作物を栽培するなど東京都の許可なく公園の予定地を使用している事例があったことなど、その余の被告人Aの弁護人の主張を考慮しても右認定は左右されない。

なお、被告人Aらは、同一の目的で、接近した日時に二期にわたって建築して本件簡易建物を完成させ、本件土地を侵奪しているから、全体として一個の不動産侵奪罪が成立すると解するのが相当である。

第二  犯罪事実第二(恐喝)について

一  弁護人の主張

被告人両名の弁護人は、被告人両名による恐喝行為の存在、犯意・共謀を争い、被告人両名は無罪である旨主張する。

二  しかし、裁判所は、犯罪事実第二の事実(以下単に「犯罪事実」という。)を認定したので、関係証拠を総合して、以下必要な限度で説明する。

1 本件の概要は次のとおりである。①被告人Aは、綱領の作成などで被告人Bの指導を受けて、右翼団体、政治結社である○○会を昭和五七年に設立し、被告人Bを師と仰ぎ、被告人Bは、同会の最高顧問として遇されていた。被告人両名の関係は、被告人Aが平成七年七月に逮捕されて起訴されたため一旦途絶えたものの、平成九年(以下この項では、原則として、「平成九年」や「東京都」の記載を省略する。)二月ころに再会すると、被告人Bが株式会社読売新聞社に対する街宣も含めて街宣案文を被告人Aに教え、被告人Aがそれに応じた街宣活動を活発に行うようになり、被告人Aは、従前と同様に被告人Bを同会の最高顧問として遇し、同被告人の指示命令に従う立場にあった(<証拠略>)。そして、○○会の名誉総裁である被告人Aは、五月初めころから株式会社読売新聞社のI社長を誹謗する街宣活動を繰り返すようになったことに関して(<証拠略>)、読売新聞社関係者から相談されたFから、同月六日ころ、既にX会を退会しており、また、読売新聞社の意向を確認していないのに、「自由民主党X会常任理事」との肩書のある名刺を交付された上で、右街宣活動の中止に応じれば読売新聞社の方で五〇〇万円を支払う旨の推測を暗に述べられ、同月七日ころ以降、読売新聞社周辺を本件街宣車(<証拠略>)で通過するだけのいわゆる流し街宣を行うにとどめ(<証拠略>)、同月一〇日ころ、Fに対し、同被告人の街宣車は八九〇万円である旨を述べ、Fも読売新聞社は街宣車一台分くらいの金銭を出す旨の推測を述べていた(<証拠略>)。②しかし、Fは、同月一三日ころ、読売新聞社が被告人Aらに金銭を支払うつもりのないことを知り、翌一四日ころ、被告人Aにその旨を告げたため(<証拠略>)、被告人Aらは、同月一六日ころ以降、読売新聞社周辺で、「I社長は野村証券にVIP口座を持っている。I社長が女を囲っている。」などと従前同様の街宣活動を再開して六月中旬ころまで続けたばかりか(<証拠略>)、六月初めころから連日のように、X会本部周辺において、本件街宣車に設置された拡声器を使用して、「自民党X会なるものはインチキ集団である。即刻解散せよ。」などと犯罪事実記載の街宣活動を始めたため(<証拠略>)、X会関係者は、この街宣活動によってX会の名誉・信用が傷つくばかりか、自民党の外郭団体であるのに、会員の不祥事等のために自由民主会館からの立退きを求められたことがあるなど自民党に評判が悪く、都議会議員選挙も間近に控えていたことからますます評判を落として、右のとおり立ち退かされて、X会の存亡にも関わると危惧し(<証拠略>)、X会役員会の意向を受けたX会統制委員のJは、六月上旬ころ、知人の新聞記者を介して被告人Aと連絡を取ったところ、自分より地位が高い被告人Bと面談するように告げられ(<証拠略>)、右新聞記者と共に犯罪事実記載の赤坂プリンスホテル新館にあるラウンジにおいて、被告人Bと面談し、右街宣活動の中止を依頼すると、被告人Bから「読売新聞に街宣を掛けたところ、自民党X会の常任理事の肩書の名刺を出したFが、Aに街宣を止めてくれれば街宣車一台分の金八〇〇から九〇〇万円を○○会に寄付すると約束したのに、Aに金を払わないので街宣を掛けた。」「FがX会の身分で金を出すと約束して反故にしたんだから、X会が責任を果たすのは当然だ。X会がFのした約束を守らない限り街宣を続ける。」「Aは俺の部下だ。俺が言えばAは街宣を止める。俺が全部動かしている。」などと言われたが、X会が右翼団体等に対しては一切金を払わない方針である旨を告げて、交渉は決裂した(<証拠略>)。③X会常任理事であるEは、被告人Aらによる右街宣活動が止まないため(<証拠略>)、同会会員のK(なお、同月一九日にX会理事に就任している。(<証拠略>))と共に、同月一三日ころ、犯罪事実記載の赤坂プリンスホテル新館三階喫茶店内において、被告人両名と面談し、街宣活動の中止を依頼すると、被告人Bのことを「うちの最高顧問の先生です。」と紹介していた被告人Aは、「すべてB先生の指示で動いていますので、B先生が止めろと言わない限り私は止めません。」などと言い、Eが街宣の理由を尋ねると、「社会正義のためにやっている。これからも街宣活動を繰り返すぞ。」などと答え、被告人Bも、「暴悪、自民党X会、自由民主党X会解散せよ。政治結社○○会総本部」などと記載された街宣ビラの下書きの原稿用紙など(<証拠略>)を示しながら、「もうすぐこの街宣ビラが出来上がってくる。このビラを配って、街宣を繰り返すぞ。選挙の告示があって街宣が出来なくなっても、このビラ全部配ってやるからな。」などと言い、さらに、被告人両名は、それぞれ、Fが街宣車一台分の金銭を寄付すると約束したのに反故にしたからX会に責任を取ってもらう旨の犯罪事実記載の発言をし、街宣車一台分に相当する八〇〇万円から九〇〇万円の金銭の交付を暗に要求し、たばこを吸いながら小指の欠損した手を見せるなどし(<証拠略>)、他方、Kは、前記のX会の方針を被告人両名に告げ、Fとの約束の責任をX会に求めるのは筋違いであるなどと述べたが、被告人両名の態度が変わらなかった(<証拠略>)ので、Eは、このままでは街宣を続けられてX会の信用が失墜するなどと前記危惧を一段と深め、被告人Aに対し、自分がガソリン代くらいの金銭を払う代わりに街宣を止めてほしい旨申し出、被告人Aが被告人Bに相談しているのを見て、知り合いの暴力団関係者に街宣中止の説得をさせようとしたものの、被告人両名は、「X会はやくざを使って街宣に圧力を掛けた。」旨発言して、Eの右申し出に応じないまま出て行った(<証拠略>)。④Kは、その後、被告人Aに再度話し合いたい旨申し入れて被告人Bと話をするように言われたことから、千代田区麹町所在の喫茶店において、被告人Bと面談し、X会から金銭を出せないことを再度告げたが、八〇〇万円程度の交付を強く要求されたので、X会からいくらかの金銭を支払えるように努力することを約束し、X会会長周辺での街宣活動をしないように申し入れ(<証拠略>)、翌一四日ころ、被告人Aらによる自由民主会館周辺での前記街宣活動は一旦止んだ(<証拠略>)。⑤EらがX会役員等に右交渉の経過を報告したが、X会の前記方針に変わりがなかった(<証拠略>)ので、Kが、同月一五日ころ、その旨を被告人Bに伝える(<証拠略>)と、被告人Aらは、翌一六日ころ以降、自由民主会館周辺において、前記内容の街宣活動を再開し、X会会長の個人名を挙げて「自民党X会Gを糾弾せよ。Gは会長を辞めろ。」などとも放送し、同月二一日ころには、犯罪事実記載のG方周辺において、「自民党X会会長G、こんな悪い奴はいない。」などと放送する街宣活動も行った(<証拠略>)。⑥Eは、G方周辺での街宣活動など次第に激しさを増す被告人Aらの街宣活動を見て、前記危惧をますます感じ、同日ころ、犯罪事実記載の居酒屋において、右街宣活動を指示していると考えている被告人Bと面談し、五〇〇万円の支払を条件に街宣活動の中止を依頼するなどしたものの、被告人Bは、Eに対し、犯罪事実記載の発言をして八〇〇万円の交付を要求し、指が欠損している左手を顔付近まで上げて示し、「お前はあまりヤクザのことを知らないだろう。俺は指がないんだ。指のない人間つかまえて、そんな話で済むと思っているのか。子供の使いじゃないんだから、決めた金額はちゃんと守れ、こっちも守ってやるんだから。守れなかったら、お前、どうなるか分かってるんだろうな。」などと言い、Eは、被告人Bに、八〇〇万円をE個人で支払う旨約束し(<証拠略>)、被告人Aらは、翌日以降、自由民主会館周辺等での前記街宣活動を中止した(<証拠略>)。⑦Eは、同月二二日ころ、X会役員会に被告人Bと右約束をした旨伝えたが、X会の前記方針に変わりがなかったため、個人で支払うことにし、翌二三日ころ、Gから八〇〇万円を借り受け、Kと共に、犯罪事実記載の喫茶店において、被告人Bと面談し、現金五〇〇万円を交付して街宣活動の中止を依頼したが、被告人Bから、五〇〇万円では足りないなどと犯罪事実記載の発言をされて残り三〇〇万円の支払を強硬に要求されたので(<証拠略>)、残りの三〇〇万円も支払うしかないと考え、同月二五日ころ、Kと共に、犯罪事実記載のクラブにおいて、被告人Bに現金三〇〇万円を交付し、被告人B、E及びKは、被告人Aらによる街宣活動を停止することで合意した旨の同月二三日付け合意書(<証拠略>)にそれぞれ署名し、被告人Bが、Eらに対し、前記街宣ビラの下書き等(<証拠略>)を渡して、警察等に本件を届けることのないように念を押し(<証拠略>)、被告人Aらによる自由民主会館周辺等でのX会及び同会会長を対象とした街宣活動は行われなくなった(<証拠略>)というものである。

2(一) 以上の事実経過をみるだけでも、被告人両名は、意思相通じて、街宣活動をしても読売新聞社から金が出ないとみて、街宣活動の対象を、Fが出した名刺に記載してあったX会に変えて、八〇〇万円ないし九〇〇万円の金銭を得るべく、被告人両名の金銭要求に屈しないX会に対し、同会長方周辺での街宣活動も行うなど街宣活動をエスカレートさせ、その間、主として被告人Bが、EらX会関係者と面談し、街宣活動を一時中止してX会の出方をみるなどした上で、被告人BがEから現金合計八〇〇万円の交付を受けた後は、被告人AらによるX会等を対象とした街宣活動が止んだことなど、被告人両名が街宣活動に絡めた金銭の取得に向けて役割を分担しながら連携のとれた行動をとっていたことが認められる。

(二) そして、被告人B及びLの各捜査段階の供述その他の関係証拠によって、被告人両名の本件恐喝の犯意及び共謀について、さらに具体的にみてみる。

被告人Aは、本件当時、所属する暴力団の会費を滞納していてその支払方を督促されるなど一〇〇万円単位のまとまった金銭を必要としており(<証拠略>)、本件に及ぶ動機を有していたとみられる。

また、被告人Aは、五月一二日ころ、被告人Bに対し、「Fは、読売が五〇〇万円位出すだろうと言っているが、先生はどう思います。街宣車は八九〇万円かかったと言ってやったんですが、そうしたら、Fが、街宣車を買うくらいの金を読売は出すと言っていた。約束したんだから守ってもらわないとねえ。」などと話した。被告人Bは、「Fという男は信用できる男か。自民党X会を調べておく。八九〇万円の街宣車か。」などと答え(<証拠略>)、その後、被告人Aから、Fが右約束を反故にしたことを知らされ(<証拠略>)、同月一六日ころ読売新聞社への街宣活動を再開した被告人Aらに対し、「ガンガンやれ、ボリュームを上げて」と指示するなどして、読売新聞社への街宣活動に数回参加した(<証拠略>)。

被告人Aは、被告人Bから、商法違反容疑で逮捕された総会屋のDが自民党X会の会員であるとの情報を伝えられ、FがX会常任理事の肩書を使ってした約束を反故にした責任をX会に取らせようと考え、六月初めころから、自由民主会館周辺において、犯罪事実記載の前記街宣活動を繰り返し、被告人Bも、数回、右街宣活動に参加した(<証拠略>)。

被告人Bは、右街宣活動を始めて数日後、被告人Aから「X会の者が話をしたいと言って来ているので、先生、話を聞いて下さい。」と言われて、前記赤坂プリンスホテル新館のラウンジにおいて、Jと前記面談をし、同月一三日ころ、被告人Aから「X会の連中が先生と会いたいと言っているから、会ってくれませんか。」と頼まれて、前記喫茶店において、被告人Aと共に、Eらと前記面談をし、Eらが悪いようにしないから自分達に任せてほしいなどと言うのを聞いて、段々望んだ方向に話が進んでいると認識した(<証拠略>)。

被告人Bは、同日中に、Kに会って前記約束を取り付けるなどした後、被告人Aに「X会に街宣を掛けるのは止めて、しばらく様子を見てくれ。」と連絡した。被告人Aは、以後数日間、右街宣活動を中止したが、その後X会に対する街宣活動を再開し、同月二一日ころ、被告人Bから「X会のGの家にも行こうじゃないか。徹底的にやれ。」と言われ、G方のおおよその場所も教えてもらって、G方周辺での前記街宣活動を行った(<証拠略>)。

被告人Bは、前記のとおりEから三〇〇万円を受け取った同月二五日の翌日ころ、被告人AにX会への街宣をやめるように連絡し、被告人Aは、X会等への街宣活動を止めた(<証拠略>)。

(三) 以上の事実によれば、本件は被告人両名の緊密な連絡に基づいてなされたものであって、被告人両名の本件犯意及び共謀を優に認めることができ、被告人両名の会話の状況等を良く知るLの供述も右認定に沿うものである。

3(一) 各弁護人は、以上の認定に用いた証拠のうち、とりわけEの公判供述について、不自然、不合理であるとして信用性に乏しい旨主張し、Fの公判供述、Kの捜査段階の供述などについても信用性に乏しい旨主張する。

しかし、右各供述は、具体的、詳細であって、共通の体験部分では概ね一致し、本件一連の事実経過について自然な流れで相互に噛み合っていて、その他の関係証拠とも符合し、実際に被告人両名と街宣活動中止に関する交渉等をするに当たって、被告人両名の金銭取得の意図を感じたなどと前記推認に沿う内容を供述しているから、その信用性を肯定できる。

(二) 各弁護人は、被告人両名の本件共謀に関する事情を内容とするLの捜査段階の供述(<証拠略>)について、捜査機関に迎合したものあるいは誘導されたものであるなどとして、信用性に乏しい旨主張する。

しかし、右供述内容は、具体的・詳細であり、他の証拠からは必ずしも明らかとなっていない被告人両名の会話の状況や被告人Bの被告人Aに対する指示状況等を内容とするものであって、Fの公判供述を始めとする関係証拠とも符合し、被告人両名の本件恐喝の犯意及び共謀の有無など推測にわたる事項はその旨率直に供述していること、Lが、父親である被告人Aやその指導者である被告人Bにとって不利益な虚偽の供述をする動機・事情はみられないほか、本件の共犯者として取り調べられていながら、自らの刑事責任につながる事項をも供述していることなどからすれば、Lの捜査段階の供述の信用性を肯定でき、起訴猶予になりたくて何でも供述したなどと取調べ状況に言及するLの公判供述は信用できない。

(三) 被告人Bの弁護人は、同被告人の捜査段階の供述(<証拠略>)も、捜査機関に誘導されたもので信用性に乏しい旨主張する。

しかし、右供述調書の記載をみると、本件恐喝の犯意及び共謀について明確に言及しないなど本件を全面的に認めた内容ではなく、問答体形式の部分も多く、訂正部分も認められることなどからすると、右供述は、同被告人の自発的な意思に基づくものであったと窺われ、しかも、本件の外形的事実関係について、Eらの前記公判供述等関係証拠に概ね沿うものであるから、被告人Bの捜査段階の供述中、少なくとも前記認定に沿う部分の信用性を肯定できる。

4 被告人Aは、公判で、X会等への街宣活動は社会正義のために行ったにすぎず、被告人Bと共にEと会ったことはあるものの、同人に金銭の支払を求めたり脅迫したりしたことなどはなく、被告人BがEから現金八〇〇万円を受け取ったことも知らない旨弁解する。

被告人Bも、公判では、被告人Aと共にEに会ったことはあるものの、同人に金銭の支払を求めたり脅迫したりしたことなどはなく、同人が○○会に対し現金八〇〇万円を任意に寄付したが、右寄付の事実は被告人Aに告げていない旨弁解する。

しかし、被告人両名は、公判で、前記の本件概要のうち大まかな経過を認め、被告人Aは、Fから街宣車一台をプレゼントすると言われたこともあったこと(<証拠略>)、六月一三日ころにEと面談した際、同人からガソリン代くらいを払うからX会への街宣活動を止めるように申し入れられたこと(<証拠略>)、同月二一日ころに被告人BからX会側が謝罪してきたのでX会への街宣活動を止めるように言われたこと(<証拠略>)など、被告人Bは、同月二一日ころにEから八〇〇万円を寄付するのでX会への街宣活動を中止してほしいと言われたこと(<証拠略>)、同月二五日ころにEから三〇〇万円を受け取った後、被告人AにX会への街宣活動を止めるように言ったこと(<証拠略>)など、それぞれ前記認定に矛盾しない事実も認めている。

また、被告人Bは、本件八〇〇万円が被告人Aないし○○会への寄付金であったと弁解しながら、右金銭を被告人Aに渡さずに自ら費消して、右金銭受領の事実も被告人Aに告げていないとも供述し(<証拠略>)、しかも、X会あるいはその関係者から寄付を受ける合理的な理由を説明していない(<証拠略>)。

そして、被告人Bの弁解に沿うかに見える同人の内妻の公判供述(<証拠略>)や、被告人両名による脅迫・金銭交付要求の状況等について捜査段階より後退した内容のKの公判供述は、前記関係証拠に照らして、信用できず、被告人両名の各弁解を適切に裏付けるものではない。

そうすると、被告人両名の前記各弁解は信用性に乏しく、前記認定を左右するものではない。

5 以上によれば、その余の弁護人の主張を考慮しても、被告人両名について犯罪事実を認定できる。

(適用法令)<省略>

(量刑事情)

一  本件は、被告人Aが、外一名と共謀して、都有地に簡易建物を建てて同土地を侵奪した事案(第一の犯行)及び被告人両名が、共謀して、金銭を交付しなければ被害者の属する団体等に対する街宣活動を止めない旨言って被害者を脅迫して、同人から現金合計八〇〇万円を喝取した事案(第二の犯行)である。

二  第一の犯行は、撤去が容易でない本件簡易建物を建築するなど東京都の本件土地の所有権、管理権を全く無視してなされたものであって、東京都に損害を与え、付近住民らに被らせた影響も小さくない。

被告人Aは、右犯行を積極的に指揮・指導し、自らも建築資材を集めるなど主導的な役割を果たしたばかりか、中古家庭電器製品の売場に利用する目的で本件簡易建物を建築した上、右建築の事実を立退料や代替地の提供など東京都との交渉に利用しようとの意図も有していた犯行の動機に斟酌すべき点はない。

また、被告人Aは、公判で、前記のとおり不合理な弁解をし、本件簡易建物の撤去費用の弁償等の措置を講じていない。

他方、被告人Aが本件簡易建物の撤去に関する同意書に署名するなどしたため、現在右建物は撤去され、その限度で東京都の被害も回復していることなどの事情も認められる。

三  被告人両名は、平成九年六月初めころから同月二一日ころまでの間、X会等を誹謗中傷する内容の街宣活動をX会本部周辺等でほぼ連日繰り返し、X会の信用失墜を恐れる被害者の心情につけ込み、街宣活動に絡めて八〇〇万円もの現金を脅し取り、しかも、被告人Aが主として街宣活動を行い、被告人Bが、右街宣活動の内容・方法等を指示し、主としてX会関係者を脅迫するなど、相互に役割分担し、緊密に連絡を取り合って右犯行を犯しているのであって、犯行態様は、組織的で、執拗、巧妙、卑劣、悪質である。

被告人両名間では、被告人Bの方が被告人Aより主導的役割を果たしたといえる。

八〇〇万円もの高額な被害を被った被害者の経済的打撃が大きいばかりか、脅迫され、所属する団体にいわれのない街宣活動を繰り返された被害者を始めとするX会関係者の精神的苦痛も大きく、関係者の処罰感情に厳しいものがあるのも当然である。

他方、被告人両名は、本件を否認して前記各弁解を繰り返し、慰謝の措置も講じていない。

四  被告人Aは、平成八年七月に覚せい剤取締法違反の罪により懲役一年六か月・三年間執行猶予の判決を受けながら、その後一年も経過しないうちに、本件各犯行を重ねていて、規範意識の欠如が顕著であるほか、右前科以外にも威力業務妨害、傷害等の前科を多数有するなど粗暴性も顕著である。

そうすると、第二の犯行で得た利益をほとんど受けていないと弁解していること、右執行猶予の取消しの余地もあることなどの事情を考慮しても、被告人Aの刑事責任は重大である。

被告人Bは暴行罪、脅迫罪等の前科五犯を有するものの、いずれも昭和五二年以前のものであること、捜査段階では、第二の犯行を一部認める供述をし、公判でも、被害を分割弁償する旨述べていることなどの事情を考慮しても、その刑事責任は重大である。

四  そこで、被告人両名に対しては、他の共犯者や相互の処分の権衡も考慮して、主文の量刑が相当と判断した。

(裁判長裁判官植村立郎 裁判官上拂大作 裁判官三浦透は転補のため署名押印できない。裁判長裁判官植村立郎)

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